『蜜蜂と遠雷』森崎ウィン「神様に愛される人は『努力をする人』なんだと思う」
しかし本人は「王子」と言われるとプレッシャーに感じると言う。
「僕とマサルは全然似てないというか(笑)。マサルが刻むリズムってすごくゆっくりなんですが、僕はすぐ反射的に返してしまうことが多くて。ゆっくりしゃべるとか、動作も静かに流れるようにするとか。マサルに寄り添うために、リズムを落とさないといけないのが、すごく難しかったです」
森崎はアーティストとしても活躍しているが、クラシックはこれまで演奏したことがなかった。マサルを演じる上で、「ピアニストとしてのマサル」を知るために、音楽教室に通い、半年以上かけて弾けるようになったという。同時に、クラシックの難しさを痛感した。
「クラシックって弾く指の番号まで決まっていて、決められたルールを守らないといけないんです。
それはなかなか慣れなかったですね。どうしても自分が弾きやすいように手を動かしてしまって。あと指を広く開くこと。運よく僕は手が大きかったので届きましたが、それでも痛い!って思いながら、でもどんどん弾かないといけないし。レッスンが終わると本当に手が痛かったですね」
『蜜蜂と遠雷』は「音楽の神様に愛された天才」の戦いの物語でもある。どんな世界でも、「天才」