2023年3月13日 08:00
「ぴあフィルムフェスティバルと大島渚の時代」連続インタビュー①犬童一心×手塚眞×小中和哉 「映画祭の場で、はじめて自主映画を作っている同世代に出会った」
犬童僕は中学の頃から自分で映画を作りたかったんですけど、カメラもないし、無理だった。それで高1のときから、自主上映欄に載ってる映画を観て回ってたんですよ。そのなかで発見したのが、立教大学の黒沢清さんの映画。できたばかりの『SCHOOL DAYS』(1978年)の上映がたまたまあって。当時は誰も黒沢さんを知らない。もう圧倒的に凄いんですよ。それから、原将人さんの『おかしさに彩られた悲しみのバラード』(1968年)、大森一樹さんの『暗くなるまで待てない!』(1975年)。これらを観て本気になったんです。
小中それで作ったのが『気分を変えて?』(1979年)?
『気分を変えて?』
──犬童監督の『気分を変えて?』は、PFFの前身となる「OFF THEATER FILM FESTIVAL ’79」に入選しています。
犬童ちょうど良いタイミングで募集があったから応募したんです。映画祭のパンフレットには、黒沢清の映画を観てこの映画をつくったと書いたんです。そうしたら、映画祭のパーティで黒沢さんの後輩が来て、パンフに僕がそう書いたものだから、黒沢さんが僕に会いたがってるって。そのパーティでは手塚さんとも会って。