新国立劇場が放つ、こどもも楽しめるバレエ『人魚姫』。米沢唯、速水渉悟、奥村康祐が世界初演への思いを明かす
速水渉悟
音楽は、ドビュッシーやマスネ、ヴェルディといった作曲家の楽曲を貝川が厳選、このバレエのために新たに録音もしたという。この物語がどんな音楽とともに織り出されていくのか、楽しみにしたい。
嘘のない表現を目指し、葛藤する日々
あまたのヒロインを演じてきた米沢。そんな彼女でも、説得力のある表現、感動をもたらす舞台は、容易に生み出せるものではない。
米沢ロジカルに物事を組み立てていかないと、気持ちがついていきません。貝川さんがやりたい物語、そこで私が、嘘をつかずに演じられたらいいなと思っています。言葉にはできなくても、お客さまが「何か受け取った」と思っていただけるところまでもっていきたい。いろいろと葛藤しながら作っています。
米沢唯(右)、速水渉悟(左)
王子と人魚姫が実際に関わっている時間はあまりないのですが、短い時間でふたりの恋と別れを演じなければいけません。ふたりの間に生き生きとした物語が生まれるように、貝川さん、速水さんとよく話し合っていきたいです。
アンデルセンの童話と同様、物語は悲しい結末で幕を閉じる。その深みある物語を、客席の子どもたちにもしっかりと伝えたい。