くらし情報『ヴァーチャルで探る、亡き母の『本心』──池松壮亮主演、石井裕也監督【おとなの映画ガイド】』

ヴァーチャルで探る、亡き母の『本心』──池松壮亮主演、石井裕也監督【おとなの映画ガイド】

の存在を知り、貯金をはたいて開発者(妻夫木聡)に「母の作成」を依頼したのだ。

ヴァーチャルで探る、亡き母の『本心』──池松壮亮主演、石井裕也監督【おとなの映画ガイド】


原作小説では2040年代のストーリーという設定だったが、映画はそれをかなり前倒しして2026年にしている。小説の新聞連載が終了した2020年に、予想もしなかったコロナ禍が発生し、テクノロジーの進化を背景としたリモートワークやネット配信サービス、デリバリーなどの普及が急激に進んで、生活様式が格段に変化、さらに2022年には「ChatGPT」登場もあり、「この数年でリアルのAI技術が予想を上回って進歩している」(本作のAI監修・清田純氏)。近未来の夢物語を描いたSFではなく、現在と地続きの、明日あさってにも起きるかもしれないリアリティを帯びてきたからである。
ヴァーチャルで探る、亡き母の『本心』──池松壮亮主演、石井裕也監督【おとなの映画ガイド】


「自由死」も、必ずしも絵空ごとではない。オランダをはじめ、ベルギーやルクセンブルク、カナダ、コロンビア、スペイン、ニュージーランドでは尊厳死や安楽死が認められている。尊厳死と自由死は、全く違うものだけれど、数年前に経験したようなパンデミックや少子化が予想もしない方向に進むと、何かの拍子に突然成立する可能性はゼロではない。そういえば、75歳以上の人が生死を選択できる制度をテーマにした『PLAN 75』という不思議に生々しい映画が登場したのも2022年だ。

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