電気グルーヴ35周年ツアー、 圧巻のパフォーマンスで満員のフロアを魅了した、Zepp Haneda追加公演をレポート
レコーディングをしながら、ゲラゲラ笑う石野卓球とピエール瀧の姿が浮かんでくる曲だ。「電気グルーヴ34周年の歌」では<便所の窓から覗きこむ>という歌詞の後に、ふたり揃って“うわーっ!”とシャウトしながらポーズをとる場面もあり、心の中で思わず“小学生かよ!”と思ってしまった。
無邪気な狂気で観客を喜ばせる電気技を存分に聴かせた周年歌に続いて演奏されたのは、「マイアミ天国」。1991年にリリースされた彼らのメジャーデビューアルバム『FLASH PAPA』に収録された1曲だ。マンチェスターでレコーディングされたこの作品は、ハードラップが中心ではあるが、後に彼らの音楽性の主軸となっていくサンプリングやハウスの要素も取り入れられた斬新な作品である。この曲のというリリックは、まさに電気グルーヴそのものを指すフレーズといっていいだろう。35周年ライブで披露されてこそ、説得力が増す。本当に電気グルーヴという音楽の在り方が詰まっていると思う。
電気グルーヴは、日本の音楽シーンにおいて、いつも“先端(旬)のマガイ物でありながら本物”で在り続けた。同様のジャンル、もっと言ってしまえば、電気グルーヴというスタイルのフォロワーが、35周年を迎えた今でも出てこないのがその証拠だろう。