くらし情報『【おとなの映画ガイド】デビュー60年、藤竜也の魅力があふれ出る『高野豆腐店の春』。舞台は尾道。』

2023年8月14日 12:00

【おとなの映画ガイド】デビュー60年、藤竜也の魅力があふれ出る『高野豆腐店の春』。舞台は尾道。

最近は、NHKの朝ドラ『おかえりモネ』のおじいちゃん役でも、常にどこか、かっこいい。

【おとなの映画ガイド】デビュー60年、藤竜也の魅力があふれ出る『高野豆腐店の春』。舞台は尾道。


今回の藤は、ちょっとお茶目で三枚目なところもある。悪友たちと春の再婚相手を探すための企みは、まるで悪ガキたちのいたずらみたいだし、ほのかに恋心をよせる女性への不器用な接し方も、微笑ましい。

しみじみとさせるところもあるが、時折みせる、昔はちょいワルだったんだろうなと思わせるやや暴力的なリアクションが、藤にぴったりはまっている。人間的魅力あふれた、いぶし銀の演技だ。

娘・春役は麻生久美子。藤とは『猫の息子』以来26年ぶりの共演だ。辰雄が思いをよせるふみえ役に中村久美。
辰雄の仲間たちは、徳井優、菅原大吉、山田雅人といった顔ぶれ。

【おとなの映画ガイド】デビュー60年、藤竜也の魅力があふれ出る『高野豆腐店の春』。舞台は尾道。


三原監督のていねいな映画作りは、辰雄と春の日々、豆腐屋さんの仕事ぶりの描き方にも表れている。朝早くから始まる豆腐作りはまるでドキュメンタリーのようだ。藤は、東京・麻布の老舗豆腐屋でトレーニングを受けたという。大豆と水とにがりだけで作る豆腐。ひと仕事終えた父と娘が、できたばかりの豆乳を飲み、その日の仕上がりを確認し、うん、いいできだと目を合わせる。このときのふたりの表情がいいんだな。

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