市井昌秀監督の“ブッとんだ感覚”のルーツは? 俳優・眞島秀和が分析
当の市井監督も「人生が1本の映画で終わるわけではないが、この映画にすべてを賭けようと思っていた」と当時の溢れる闘志を振り返った。
「普段は穏やかな方なのに、作品をつくったときに、どこか“ブッとんだ感覚”があるというか(笑)。ご一緒したり、『台風家族』を拝見したりして思っていましたが、昔からこういう部分あるんだなって。こういう原点があって、今も撮り続けているんだと」(眞島)
「映画を撮っていきながら、やはり原点に帰っていく感覚がある。自主映画と商業映画に差はないと思っていて。もちろん、(商業映画は)娯楽性も考えますけど、自分が描きたいものに忠実にありたいとは思いますね」(市井監督)。
もともと役者志望で、お笑いグループ“髭男爵”の元メンバーという異色の経歴を持つ市井監督は、映画監督として歩み出したきっかけを「周りの人たちとの出会いだと思いますね」と語る。さらに「スタッフや俳優部。
まだ何者でもない人たちが、ひとつの作品で汗を流したというのが一番大きい」と語ると、自主映画の苦楽を知る同世代の眞島も大いにうなずき、「夢中で上のステージに行きたいという感覚は、あの頃独特のものですよね。僕自身も俳優として、こんなところではやめられないと意地になっていた部分が一番大きかった」