おとな向け映画ガイド 今週公開の作品も傑作揃い。その中からオススメ3本。
そして、この作品が原因で絶交していた薬中毒の主演役者を訪ねることになります。彼と旧交をあたためながらヘロインに酔ううちに、気持ちがよくなり、子どもの頃の思い出がいくつもよみがえってきて……。
アルモドバルそのものといっていい、セミリタイアした映画監督の日常。 人生を感じさせるセリフ、監督が住む赤を基調にしたインテリアの家もおしゃれです。渋いなかにも繊細さを持つバンデラスが魅力的ですし、母の思い出(演じているのは、監督とつきあいの長いペネロペ・クルス)、同性愛者である監督の原点ともいえる少年時代の性的な事件、 恋人との出会いと別れなど、ちょっといい思い出話が続きます。確かに『ニュー・シネマパラダイス』を彷彿とさせるところも。
アルモドバルが肩の力をぬいて作った、過去に向かうだけでなく、明るい未来もほの見える、後味のいい映画です。
『なぜ君は総理大臣になれないのか』
日本の現役政治家、衆議院議員小川淳也を17年間追い続けたドキュメンタリーです。
これが、めっぽう面白い! カメラの前で17年、これでいいのか、と悩み続ける代議士の、愚直なまでに真っ直ぐな姿に、政治の世界でもこんな人がいるんだと驚きます。