一方、ピアノの碇山は、プーランクのピアノ・ソロ作品全曲録音に取り組むなど、プーランクに対する造詣が深く、さらに今回は、歌詞の翻訳までも担当する。そして、神戸で教鞭を取る太田は、近年は演劇舞台作品にも活動範囲を広げ、高いパフォーマンス能力で外国人には難しいとされるプーランク歌曲に挑戦する。新美による朗読や出演者によるトークを含め、演奏会を一つの作品として構成するというコンセプトも新鮮だ。
旗揚げ公演となる11月の神戸公演が、音楽専用ホールではなく、酒蔵を改装した「酒心館ホール」というのも目新しい。プーランクが愛した“カフェ・コンセール”の気軽で音楽を楽しめるとなればまさにコンセプト通りの会場と言えそうだ。
ちなみに、グループ名の「unit 4/4(ユニット・カトルカール)」とは、フランスのパウンドケーキの名前なのだとか。4つの材料を1/4パウンドずつで作るという、その共同作業の成果に期待したい。
●unit 4/4 (ユニットカトルカール)〜伊左治直 x F.プーランク(神戸公演)
公演日時:2020年11月19日(木)19時開演
会場:酒心館ホール(神戸)
料金:前売り一般3000円/学生2500円*当日は+500円
プログラム:
F.プーランク:マックス・ジャコブの五つの詩/当たりくじ/矢車菊/間奏曲(ピアノソロ)