佐野玲於の自分らしく生きるルール「目標や理想は、あればあるほど遠のくもの」
でも、目標や理想を見つけてはクリアしていく、その繰り返しですよね、人生って。その経験が積み重なっていくことで、自分が構築されていく」
でも、目標や理想をつくらず、あえて何もしないっていうのも自分らしさになるんじゃないですか、と佐野は続ける。
「アイツほんと何もしないな、って周りから言われて『何もしないヤツ』として覚えられる。それも自分らしさですよね。役所広司さん主演の映画『PERFECT DAYS』(2023)を観たときも、何事も起こらない普通の日常に小さな幸せを見出す、あの特別さが答えだよな、って思いました。あまりに大きなものを求めて、高いところを目指しすぎると、生きることに満足感を得られなくなる」
世のなかは、ときに無理やり、目標や理想を形成させようとする。これをしないと将来危ないですよ、これを手に入れないとダメになりますよ、と不安を煽る要素で埋め尽くされている。不要な焦りでどんどん追い立てられ、心は萎縮していくばかり。
佐野は「だから、少しくらい何もせず、ぼけ〜っとしているくらいでちょうどいいんじゃないかな」と、肩の力を抜いて生きる道を示してくれた。「若い子たちのあいだでも多いですよね。