2021年11月17日 17:00
「モリーナが好きなアイテムを身につけ役を獲得できたら」ミュージカル『蜘蛛女のキス』石丸幹二×日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)インタビュー
――モリーナは数々の先輩が演じてこられた役だと思いますが、石丸さんはどうやってオリジナリティを発揮しようとしていらっしゃいますか?
石丸僕ね、日本人キャスト版の先輩モリーナを拝見していないんですよ。だから比較できないんですが、トニー賞授賞式で見たブレント・カーヴァーのパフォーマンスには驚きました。彼、女性としての「生き方」をたった数分間で観客の目に焼きつけたんですよ! その姿を見た時に「ここまでやらないと、モリーナの個性って観客に伝わらないんだな」と。
ミュージカル『蜘蛛女のキス』稽古場より
――カーヴァーのパフォーマンスには、どんな特徴があったのでしょうか?
石丸その人の内面って、所作や振る舞いに表れますよね。カーヴァーはモリーナらしさを、デフォルメしながらも自然に見せていて。対する僕は、モリーナとしての中身が、その時点で空っぽ。どうしようか悩んだ結果、艶やかな色の服を身にまとってみようと思いました。ひとりでは買いに行けないので、ショップまで女性マネージャーについて来てもらって。
彼女が買うフリをしながら僕が試着して、自分の体に合うピンク色の花柄ガウンを購入しました。
――形から入って、どんな収穫がありましたか?
石丸羽織ってみると膝にシャランと落ちて、体にまとわりつくような感じを受けました。