2021年8月27日 12:00
「私の人生で経験したことが描かれています」M・N・シャマラン監督が語る最新作『オールド』
その結果、本作は、誰もが人生の中で感じる時間の不思議さ、気がつくと様々な状況が変化していくことの驚きが盛り込まれた作品になった。
「もし仮にものごとのスピードがものすごく早くなったとします。そうすると皮肉なことに、イヤなメールを受け取ったとか、狙っていた仕事を誰かに取られたなんてことが“それって本当に大事なことか? そんなことに執着していていいのか?”と思えてくると思うのです。逆に人は人生の中で何を楽しむべきなのか? 何が人生で大事なのか? を考えると思います。そして人は“いま現在”が最も大事なんだと感じられるのではないでしょうか? ものごとをゆっくりとしたスパンで見ていくと、ひとつひとつの大切さが見えなくなってしまうことがあると思うのです」
ここまで読んだあなたは“今回のシャマラン映画はいつもと少し違うのでは?”と思うかもしれない。もちろん、本作にはシャマラン監督お得意の衝撃的な設定や展開、観客の予想を上回るラストが描かれる。その上で本作はこれまで以上に観客が考えたり、自分の引き寄せたりできる題材も扱っている。ショックやサプライズで終わらない、ありそうでなかった“新たなシャマラン映画”の誕生といえるだろう。
『オールド』
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