おとな向け映画ガイド 今週のオススメはこの3作品!
都会に居る息子は成功していて忙しく、5年に一度顔をだす程度。自死をする覚悟で、生前にお葬式の準備をしてしまおうとするのですが、例えば、死亡診断書とか、本来なら亡くならないと出せません。でも村に住む大人はほとんど教え子。真面目な、でも優しいこの先生に頼まれるといやとはいえないのです。諸手続きを済ませ、棺桶を買い、葬式での食事を用意。あとは死ぬだけなのですが……。
主演のエレーナを演じるマリーナ・ネヨーロワ、隣家に住む友人役のアリーサ・フレインドリフという、ロシアを代表する名女優ふたりが、ともに存在感のある演技で素晴らしいです。原題は「解凍した鯉」。
登場する鯉の「名演技」も観ものです。驚いたのが劇中歌。日本ではザ・ピーナッツが歌った『恋のバカンス』のロシア語版が主人公の思い出の歌のように流れます。宮川泰が作曲した1963年のヒット曲ですが、ソ連でも大ヒットしたそうです。聡明で、どこかかわいらしいおばあちゃんの、愛すべきロシア映画です。
首都圏は、12/6(金)からシネスイッチ銀座他で公開。中部は、12/14(土)から名古屋シネマテークで公開。関西は、12/6(金)からシネ・リーブル梅田で公開。