鈴木亮平&宮沢氷魚と考える愛とエゴ「エゴを持っていることが人間の美しさ」
極論、相手の幸せを願うことですら、相手に幸せになってほしいという自分のエゴでしかない。でも、そういうエゴを持っていることが人間の美しさだし、だからこそ映画にする意味があるんじゃないかなと。
宮沢そう考えると、エゴって人間独自のものというか、他の生物にはないものなのかもしれないなって気がします。エゴというものを与えられた以上、みんながいちばん幸せになる形でエゴを貫くことができたらすごくいいんじゃないかなと考えたり。
鈴木それこそ、いかにそれぞれのエゴを全体のためになるように調整してきたかが人類の歴史だと思うんです。お金を儲けたいとか、おいしいものを食べたいとか、いい生活がしたいとか、エゴにはいろんな種類があって、それを完全に抑えることは誰にもできない。だからこそ、各々のエゴをどうやって全体にとって良い方向に動かしていくかを考え、バランスをとっていくしかないんじゃないかな。
相手によって自分を演じ分けているところに共感しました
――鈴木さんは役を掴むために何から入りましたか。
鈴木原作の高山真さんがご自分をモデルに書かれているので、まずは高山さんの人生を辿っていくことから始めました。