2022年3月16日 07:00
瀬戸康史が考える自信の持ち方「大事なのは大きな出来事より、小さな積み重ね」
そこはすごく共感できました」
自分に自信のない聡子は、スタンダールにアドバイスされても、なかなか自分の外見的魅力を見つけることができなかった。他人から良いと評価されたところも、心を閉ざしたままでは受け入れられない。瀬戸康史も、かつてはそうだった。
「僕も若いときは、どちらかと言えば可愛らしい顔立ちがコンプレックスでした。でも、それも含めて自分なんだと受け入れられるようになってからは、気持ちが楽になったし、役者としてもこの顔が武器なんだと思えるようになりました」
故郷を離れ、芸能界という未知の世界で、悩み、塞ぎ込んでいた瀬戸康史は、ありのままの自分を受け入れることで、自分を認められるようになった。
「自信を持つって難しいなと思います。やっぱり時間はかかります。一発で何か劇的に自分を変えようというのは、僕は無理だと思う」
そう前置きをしてから、穏やかな口調で瀬戸康史は言葉を重ねた。
「僕が自分の容姿を受け入れられるようになったのも、何か大きなきっかけがあったというわけではないんです。本当に、徐々に徐々にという感じで。よくこういう取材でも『自分を変えてくれた恩師との出会いは?』という質問をもらったりするんですけど、あんまりなくて…。