2022年3月9日 18:00
いよいよ明日開幕!「第17回大阪アジアン映画祭」見どころ紹介【前編】
暉峻:どちらも海外の監督が日本を題材にして、日本映画界のトップクラスも力を合わせた作品ですね。国境を越えて製作するという現象はどんどん目立っていくでしょう。
『柳川』
──まずはオープニングの『柳川』ですが、監督のチャン・リュルは中国生まれの朝鮮民族、いわゆる朝鮮族の監督として韓国語映画を多く作ってきましたが。
暉峻:そういうことを全く感じられない、今回は完全に中国映画ですね。無茶苦茶これ面白いですよ。柳川を題材にしてこんな映画が撮れるんだと。水路の町・柳川ならではの風景の美しさがまずありますが、もうひとつの注目ポイントとしてオノ・ヨーコのおじいちゃんの家の門っていうのがあるんです。先祖がそこの出身で、柳川に屋敷を構えていて門だけ残っているんですけど、これがどう生かされているのかというのが超見物なんです。
──もともと風景を撮るのが上手い監督ですしね。
暉峻:これだけドリーミーな風景を撮るのに、今回は大スター映画なんです。池松壮亮くんとか中野良子さんとか。中野良子は中国的には超大スターですから。
──高倉健との『君よ憤怒の河を渉れ』(’76)が中国で大ヒットして以来、ですね。