2022年3月9日 18:00
いよいよ明日開幕!「第17回大阪アジアン映画祭」見どころ紹介【前編】
暉峻:そう言う超豪華な面子でそろえられたのがコンペに入っている。同じような豪華路線で言いますと、アニタ・ムイ(80~90年代の大スター)の伝記映画『アニタ』。数字的にも香港映画史上ナンバー1ヒット作になるであろう大ヒット作ですね。それだけでなく、ブルース・リーとかジャッキー・チェンとかチョウ・ユンファとかチャウ・シンチーとか、香港映画の記録的ヒット作は歴史的にだいたい男優が中心になって作られてきた。そこに女優が中心の物語がトップに上り詰めただけでも、この映画祭で扱う理由があると思うんですね。
──ルイス・クーやラム・カートンやミリアム・ヨンなど脇は大スターが固めていますが、肝心のアニタを演じる女優さん、僕はまったく知らないんですよね。
暉峻:そうなんです。このルイーズ・ウォンって女優、この映画でデビューしたんですけど、ピカピカの新人とかではなくて、微妙に年を食っている(笑)。
ちょっと売り方を間違えると、その人生経験がマイナスにさえ語られかねなかったような人で。その辺も異例中の異例なんですが、アニタ・ムイ本人の歩んできた人生経験を満点の説得力で演じきった。香港ってすごい口コミ社会なので、本当に映画の出来が良ければ、必ずしもスターが出てなくても大ヒットできるというのがあったんですけれども、これはそれの最新版ですね。