2024年2月7日 11:30
『コスチュームジュエリー 美の変革者たち』京都文化博物館で シャネルやディオールなど450点、ドレスとのコーディネートも
あまり耳慣れないかもしれないが、「コスチュームジュエリー」とは、宝石や貴金属などの高価な素材を用いずに、優れたデザインによって装いを際立たせる宝飾品のこと。20世紀初頭にヨーロッパで生まれ、アメリカへと広がったこの「コスチュームジュエリー」に光をあてた世界的にもまれな展覧会が、2月17日(土)から4月14日(日)まで、京都市中京区の京都文化博物館で開催される。
コスチュームジュエリーを服飾に取り入れた先駆者は、女性をコルセットから解放したことで知られるフランスのファッションデザイナーのポール・ポワレだった。同展は、そのポワレが妻のためにデザインした華麗な作品《夜会用マスク、ブレスレット「深海」》で幕を開ける。
その後の1920年代、シャネルが模造パールやガラスビーズを素材とした個性あふれるジュエリーを手がけたのを皮切りに、スキャパレッリやディオールといったデザイナーもこれに続き、さらに1930年代には様々なオートクチュールメゾンも追随した。従来のジュエリーの伝統を背景に、卓越した技をもつ職人たちの力を借りて生み出された自由な素材の表現力豊かなジュエリーは、社会進出を果たした女性たちから絶大な支持を得て、その人気はアメリカにも広がっていく。