くらし情報『井上ひさしが描いた戦後日本が現代を照らす、こまつ座『私はだれでしょう』開幕』

井上ひさしが描いた戦後日本が現代を照らす、こまつ座『私はだれでしょう』開幕

次々と襲いくる騒動に翻弄されるラジオ局の一室を、きめ細やかに描き出す。

演出にあたるのは、栗山民也。こまつ座作品に多く登板するほか、地に足のついた活躍ぶりを見せる百戦錬磨の演出家だ。栗山は「今のこの自粛生活の、のっぺりとした時間のなかで、再びこの熱く必死な力を持つ台本を前に、パンデミックとやらの後にやって来るものとは何かを考えます。そして、空気のように当たり前に素通りしていた“普通の生活”が、どんなに大事であったかを強く噛み締めています」とコメント。「世界の新しい価値観と出会うため、“必死だった人間たちの声”を何度も聴くことから、始めていこうと思います」との言葉に、この作品に対峙する者の決意が浮かび上がる。「真実」にひたむきに向き合い、向き合うことから逃げなかった、誇り高き人々の物語だ。

公演は10月22日(木)まで、紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて。


こまつ座第134回公演
『私はだれでしょう』
作:井上ひさし
演出:栗山民也
会場:東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA

【スペシャルトークショー開催】
・10月11日(日)13:00公演終了後
登壇:朝海ひかる、枝元萌、大鷹明良、吉田栄作
・10月20日(火)

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