「地下芸人をやってたけど 寄席演芸に答えがあった」鈴々舎馬るこインタビュー
本当は古典落語という言い方もしたくないんです。落語は現代の観客に向けて話すものなので、昔のものでも江戸弁がわからないから現代語に直したりとか。言葉自体も、例えば『牛ほめ』に「普請(ふしん)」という言葉が出てきますがわからないので「建て直し」に言い換えたり。言葉がわからないことで思考を止めたくない。現代の人が聴いても面白いのが落語。だから古典落語って言いたくないんですよね。古典落語であるならばその当時の言葉で話すべきなので。ということであるならばもっといろいろ付け加えてもいいだろうと。
逆に新しくし過ぎて思考を止めたくないというのもあるし。それが落語の違和感のなさに繋がるんですよ。
──野外音楽フェス『FUJI ROCK FESTIVAL』に登壇されていたそうですね。
(主催の)SMASH代表だった日高さんが「20周年だから落語だな」って急に言い出して(笑)。「土砂降りの中でも投げ銭でやってくれる落語家を探してこい」という命令がスタッフに下って、放送作家経由で人づてに「馬るこならやるんじゃないですか」と伝わったらしくて。「面白そうだからやってみましょうか」と引き受けたのが始まりですね。