「地下芸人をやってたけど 寄席演芸に答えがあった」鈴々舎馬るこインタビュー
寄席の番組10日間に起こったことを全部まとめたらあんな感じなんです。全部実話です。
──キャリアを重ねるなかで、ご自分ではどんな落語をやっていこうと思われましたか。
当時は漫談で行こうかなと思ってたんです。受けているのがきみまろであり、馬風であり、(三代目三遊亭)圓歌師匠が当時全盛期でした。古典落語をやっても見返りが少ない時期で。袖で観てて「なんでこんなに古典落語が上手くてもお客さん来ないんだろう」と思ってた。それからNHKの『にほんごであそぼ』で『寿限無』ブームが来て、その次の年にドラマ『タイガー&ドラゴン』。
そこで客層がガラッと変わった。
その後、古典原理主義者みたいなおじいちゃんたちがどんどんいなくなり始めたんです、年齢的な問題で。その当時、TBSの『落語研究会』とか年間通しチケットで買って、帰りの電車の中で「(三遊亭)圓生はどうだった。(古今亭)志ん生はどうだった。それに比べて今の若手は……」みたいな会話が聞こえるような古典原理主義者たちが幅を利かせてる時代だったのが、ガラッと入れ替わったんですね。若い人が落語に押し寄せるようになって。
広瀬(和生)さんの本『この落語家を聴け!』の影響で「今、観るべきは(柳家)