「地下芸人をやってたけど 寄席演芸に答えがあった」鈴々舎馬るこインタビュー
喬太郎だ。(立川)志の輔だ」など、客層が変わった。オリジナリティのある落語、現代の人間に向けられた落語をやってくれというニーズが高まるようになったんですね。そっちにシフトチェンジしなきゃいけないなと。それで「ぴあ落語ざんまい」にも出している演目『鴻池の犬』は、二ツ目なりたてくらいの時に演出を自分なりにやりました。オリジナリティのある演出をつけた落語は先陣がいたんですよね。(立川)志らく師匠が目立ってたと思うんですけど、(桃月庵)白酒師匠、(春風亭)一之輔師匠、(柳家)喬太郎師匠、(三遊亭)兼好師匠など。そういう先陣たちが居てお手本があったのはありがたかったです。
──とは言え、馬るこ師匠のオリジナリティに満ちた落語は本当に面白くて、そこに行き着くまでにご苦労もあったのではと思います。
ある程度の時期から先輩たちの芸を観るのを辞めようと思いました。影響されちゃうので。だからマクラも漫談も小噺も演出も、全部オリジナルでやろうと思ったので、誰かを観ちゃうと吸収しちゃうんですよね。二ツ目の時期から完全に観るのを辞めて、自分が好きな漫画を読んだり、映画観たり、その中の根底に流れているような面白さを取り入れてみたりしてやってますね。