家族を失った人々の再生を描く『月の獣』を4年ぶりに
に対する思いが紐解かれていく……。
身をよじるほど悲しい過去があるからこそ、愛に飢え、それをうまく求められない。欲しくて欲しくて強要すればするほど、それは遠のく。そんな人生を生きていた者たちが、互いの悲しみを知り、やがて「家族」になっていく。そのグラデーションは決してたやすくない。けれど、決して、ありえないファンタジーではない。2019年の孤独を生きる観客の胸に突き刺さる一作だ。
12月23日(月)まで紀伊國屋ホール、12月25日(水)に新潟市民芸術文化会館、12月28日(土)・29日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演。
文:小川志津子