2021年7月21日 17:00
これまでにない“静”な主人公が登場! 小越勇輝、梅田彩佳ら出演の梅棒新作『おどんろ』稽古場レポート
小越演じるNEO妖怪は人間に深い恨みを持っているが、梅田演じる警察官との出会いによって少しずつ人間への感情が変わっていく。
警察官役の梅田彩佳(中央左)とNEO妖怪役の小越勇輝(右)撮影:飯野高拓(梅棒)
ふたりの間に流れるものの変化はとても繊細なのに、舞台上の空気を一気に変える鮮烈さがあり、作品の大きな魅力になっていた。マスクをしているにも関わらず表情や醸し出すものにハッとさせられることも度々あり、台詞がないからこそのものがあるのだと感じた。「ずっと梅棒に出たかった」と話していた小越は、“溢れんばかり”といったパフォーマンスが瑞々しい。前半の、攻撃的でオラオラした芝居も新鮮だ。初出演以来「また出たい」と言い続け、梅棒では初となる2度目のヒロインを務める梅田のパフォーマンスも魅力が増していた。気持ちと職務との間で板挟みになる姿は心を掴み、彼女がどういう選択をするのかドキドキしながら見守らずにはいられなかった。
多和田任益(梅棒)撮影:飯野高拓(梅棒)
そのほかにも、登場すると目が吸い寄せられるQ-TAROや、遠藤誠(梅棒)の狂気を感じる演技、多和田任益(梅棒)と小越の歴史を感じるパフォーマンスなどなど……あげるとキリがない色とりどりの楽しさがギュッと詰まっている。