ジェームズ・マカヴォイが「ノー!」 『スピーク・ノー・イーブル』家族の異常性が垣間見える本編映像公開
の軽快な音楽に合わせて、可愛らしく踊り始める。子供らしい姿にダンスを観ている親はほっこりするであろうシーン。しかし、アグネスが完璧に振り付けをこなす一方で、アントはどこかぎこちない。そんな息子の姿を初めは笑顔で見守っていたパトリックだが、その表情は次第に険しくなっていく。その横で、ベンとルイーズは子供たちが一生懸命に踊る様子を不安そうな表情で見つめている。
そして、ついに我慢の限界に達したパトリックは「ノー!」と大声で叫び、ダンスを止めさせてしまう。怯えたアントがその場で背を向けてしまうと、パトリックは笑顔で「気にするな。ひとりで踊れるだろ」と優しく声をかけ、アントにやり直しをさせようとする。
その様子に耐えかねたベンとルイーズは、「曲を止めろ。子供なんだぞ」「あんな言い方ある?」と反論。しかしパトリックたちは「うちのしつけに文句か」と不満げな表情を浮かべて聞き入れない。ルイーズが「怒鳴らずに愛を持って接して」となだめようとするが、その直後、パトリックはさらにアントに向かって「部屋に行け!」とさらに怒鳴り散らすのだった。和やかな家族同士の交流の場であるはずが、気さくでありながら野性的なパトリックの異常さが徐々に際立ち、2組の家族が互いの“しつけ”についての価値観をぶつけ合う緊張感みなぎるシーンとなっている。