ジェームズ・マカヴォイが「ノー!」 『スピーク・ノー・イーブル』家族の異常性が垣間見える本編映像公開
監督を務めたワトキンスは、本作のビジョンを明確にし、製作に取り掛かる際に数々のスリラー作品からさらにインスピレーションを得たという。具体的には、数々の受賞歴を誇るミヒャエル・ハネケ監督やリューベン・オストルンド監督の作品をはじめ、マイク・ニコルズ監督の『卒業』、サム・ペキンパー監督の『わらの犬』、ジョン・ブアマン監督の『脱出』などを挙げている。
これらの作品を参考にした理由について「同じスリラーでもこの微妙な特徴の違いは、私の作品へのアプローチにおいて大事なものなんだ。それぞれの登場人物を心理的に探求することや、彼らが現代の社会背景の中でどのようにお互いに影響を与えるのか、ということから、心理的な緊張感が生まれればいいと願っているんだ。このアプローチの方法に影響を与えた作品たちは、社会的交流における権力闘争を楽しみ、礼儀正しく微笑む人々が互いに感じ取る、抑えられた怒りを探求するために“文明化的”な生活を覆う膜を剥がしていくんだ」と説明。その言葉の通り、本作でも2組の家族が社会的な交流を通じてどのように影響を及ぼし合うかが描かれ、その中で生まれる心理的な緊張感や恐怖が、この作品の大きな魅力のひとつとなっている。