最新作『デッドプール&ウルヴァリン』が公開。考察! なぜデッドプールはこんなにも愛されるのか?
彼は戦っている時も、ピンチになった時も、スキがあればジョークを挟み込んでくる。その内容も限界スレスレのものが多く、観客はその“ヒーローらしからぬ”姿に魅了されるのだ。
その一方で、彼は照れてごまかすけど実は“まっすぐな”男でもある。悪党は容赦なく叩き斬るけど、愛する恋人のためなら命をかけるほど一途だし、ちょっとどうかと思うダメ人間でも友達なら全力で守るし、何かを失った時は心底落ち込むナイーブな一面も持ち合わせている。無敵だけど、やっぱり人間。可愛いところも持ち合わせてる。好きにならないはずがない。
が、そんな魅力を持っているヒーローは他にも存在する。
マーベル・スタジオ映画は“等身大”の魅力あふれるキャラクターの宝庫だ。若くて向こうみずなところも人気のスパイダーマン、妻と娘を愛する頼れる男アイアンマン、悪態ばかりつくけど実は仲間想いなロケット。みんな魅力的だ。
しかし、デッドプールは彼らとは違う。その最大のポイントは、彼がヒーロー映画のお約束から”半分だけはみ出している”ことだ。彼はどの映画でも敵に立ち向かい、ヒーローのように活躍するが、その合間にカメラに向かって観客に話しかけてくる。