くらし情報『『カナレットとヴェネツィアの輝き』展示レポート 水の都ヴェネツィアを描いた多彩な景観画が一堂に』

『カナレットとヴェネツィアの輝き』展示レポート 水の都ヴェネツィアを描いた多彩な景観画が一堂に

カナレットがヴェネツィアの明るい表の顔を描いたとすれば、街の裏の顔を描いた画家もいる。例えば、エティの《溜息橋》に描かれているのは、元首公邸と牢獄の建物の間の狭い運河で、光景も暗い想像を誘うものだ。ホイッスラーは夜の大聖堂を描き、一方、光や水面、大気の描写に注力したブーダンやモネは、明るい色彩でヴェネツィアの街の一面をとらえた。18世紀から20世紀まで、総数約60点の作品によって、絵画におけるヴェネツィアの表象の変遷をたどれる点も、同展の見どころのひとつだろう。

『カナレットとヴェネツィアの輝き』展示レポート 水の都ヴェネツィアを描いた多彩な景観画が一堂に

ウィリアム・エティ《溜息橋》1833−1835年ヨーク・ミュージアム・トラスト(ヨーク美術館)
『カナレットとヴェネツィアの輝き』展示レポート 水の都ヴェネツィアを描いた多彩な景観画が一堂に

左:ウジェーヌ・ブーダン《カナル・グランデ、ヴェネツィア》1895年東京富士美術館右:クロード・モネ《サルーテ運河》1908年ポーラ美術館
ちなみにSOMPO美術館は、幅広い層に向けた教育普及活動にも熱心な館だ。今回も詳しい解説のほかに、鑑賞のヒントを織り込んだ平易な短文による丸い絵入りパネルが配されている。家族連れの方など、このパネルを参考にすると、ヴェネツィアの旅をより興味をもって楽しめるのではなかろうか。

取材・文・撮影:中山ゆかり

<開催情報>
『カナレットとヴェネツィアの輝き』

2024年10月12日(土)

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