主演作『もみの家』が公開、女優・南沙良が語る演じることの魅力
と語る南。その理由は「自分の殻に閉じこもってしまったり、集団の中で他人との距離感がうまく掴めなかったりするところや、コンプレックスが私自身と重なるところがたくさんあったから」だった。
「以前、私がそういう居心地の悪さや疎外感を感じたときに、母に話したら“それは合わなかっただけよ”と言ってくれて、すごく救われたことがあったんです。映画の中でもまさに彩花が同じことを言われるシーンがあるんですけど、あそこは演じていても心が軽くなるのを感じました。ただ、演じていくうちに彩花と私は似ているけど、やっぱり違う――彩花は私にはない強い心を持っていると気づいて、安心して(笑)、そこから演じやすくなりました」
稲作を中心とした共同生活を通じて成長していくだけでなく、近隣の人々との触れ合いを通じて、生や死について考えていくことになる彩花。ここでもひとつ、映画と現実が重なる部分が……。映画の中で、彩花と交流を深める近所に暮らすハナエを演じた佐々木すみ江が、昨年2月に他界した。佐々木との時間を南は「すごく貴重な経験でした」と振り返る。
「すみ江さんとお芝居をさせていただいた時間は、私にとって宝物と言える時間です。