2021年4月12日 07:00
原作ファン必見! 舞台『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』インタビュー【前編】 演出・中屋敷法仁「最大風速の強い演劇に期待して」
また今回、美しく不気味にすることがテーマとしてあります。原作にも骸骨が出てきたり霧に覆われたりするので、ダークだったりスタイリッシュな部分があるのですが、輪郭がぼやけているというのが意外と難しいんですよね……。例えば敵キャラで言うと、めちゃくちゃ強くて悪いやつだと輪郭はハッキリするんですけど、今回の敵は輪郭がハッキリしていないんです。謎めいているし、動機もわからないみたいなところもあったりして。その輪郭がハッキリしていない、ぼんやりしたところの美しさみたいなものが見せられると、「文ステ」がまた違ったステージに行けるんじゃないかな、という気がしています。
――「文ステ」は戦闘シーンやアクションシーンも多いですが、普通の会話のシーンですらとても運動量が多い作品だなと感じます。
それはやっぱり原作からそういったイメージを受けるので、そうなってしまうんです。たくさん動こうとか、たくさん踊ろうとしているわけではなくて、原作の言葉一つひとつに込められている想いだったり、凝縮されている物語というものを表現しようとすると、あまり魂のこもっていない身体だと耐えられないな、という思いはありました。