スタジオジブリの過去作はどのように“デジタル化”されたのか? スタッフが語る
まずは『風の谷のナウシカ』からスタートして、次は『ラピュタ』で……現在にいたっています。
―今回、調布シネフェスで上映される『ラピュタ』もその時の素材が元になっている?
奥井そうです。スキャンは6Kで行いました。ジブリ作品の最初のブルーレイは『崖の上のポニョ』なんですけど、その頃は映画館でのデジタル上映が広まりつつあった時期で、先のことを考えていくと“フィルムからデジタル”へ全部切り替わっていくことが見えていました。だからブルーレイ発売はきっかけのひとつではあるんですけど、将来にDCPをつくることを見据えた上でスキャンしてデータ化していったんですね。
―『ラピュタ』のDCP上映は今回が初ですか?
奥井愛媛でこの1月に上映したので、都内では初になります。
―近年、デジタル化された映画の上映が増えていますが、そのクオリティは本当に玉石混交で“デジタル・リマスター”になった途端、オリジナル版とは似ても似つかぬ画質になっている映画も多くあります。ジブリはどのような方針や考え方でデジタル化を行っているのでしょうか?
奥井基本的には“スクリーンで観たもの”をそのまま残したいということですね。