2023年11月8日 11:00
東京バレエ団、新制作『眠れる森の美女』初演まもなく開幕 総指揮をとる斎藤友佳理「時代とともにアップデート」
Photo:Shoko Matsuhashi
苦心したのは「本来あるべき『眠れる森の美女』の中核と、時代とともに少しずつ変わっている革新すべき技術とのバランスをとること」だと明かし、「ストーリーの根本は変えてはいけないし、古典バレエである薫りを残さなければいけない。根本のコアな部分は変えずに、時代とともにアップデートされていかなければいけない」と強いこだわりで、本公演に臨む。
特に注目し、新演出の主軸となったのが、リラの精とオーロラ姫の関係性。リラの精が、オーロラ姫、そしてデジレ王子の“洗礼の母”として、100年の歳月を経て、ライラックが生い茂る城で、両者を引き合わせるのだ。オーロラ姫とデジレ王子は「次元の違う存在」だといい、「リラを通して、眠っているオーロラと、現世を生きるデジレが出会う。ですから、ふたりを絶対に(物理的に)触れさせたくなかった」と語る。そうすることで、リラの精の導きの重要性が強調され、善悪が争うおとぎ話の枠を超えた、より深い物語性を追求した。
Photo:Shoko Matsuhashi
Photo:Shoko Matsuhashi
Photo:Shoko Matsuhashi
今年7月の『ジゼル』オーストラリア公演が高く評価され、上昇気流に乗る東京バレエ団から、今回『眠れる森の美女』の主役のオーロラ姫とデジレ王子に選ばれたのは、沖香菜子・秋元康臣、秋山瑛・宮川新大、金子仁美・柄本弾の3組だ。