2023年11月16日 12:00
【レポート】ルパン古川雄大が変幻自在に演じ分け ミュージカル・ピカレスク『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』
教会を再建して施療院を作る計画の会見で、デティーグ男爵令嬢クラリス(真彩希帆)が、燭台の由来と、院長に就任する決意を歌う(「願いが叶う日」)。真彩は美しいソプラノで、キーが高い難曲を伸びやかに歌いこなしている。
そこへ枝の1本と思われる棒を鑑定した考古学者マシバン博士が現れ、枝は本物だと告げた。クラリスは年老いた博士をいたわるが、計画の中心人物で、テンプル騎士団研究会会長を名乗るボーマニャン(黒羽麻璃央/立石俊樹)は、傲慢な態度でその枝を取り上げ、去っていく。ひとり残された博士は、本物は自分が持っていると告白。しわがれ声は若く張りのある声に変わり、鮮やかに変装を解いてルパンが姿を現す。巧みな変装で観客の目も欺き、「俺はルパン」と歌う颯爽とした古川の怪盗紳士ぶりが、なんともカッコいい(「Je m’appelle LUPIN」)。
また、デティーグ男爵(宮川浩)の屋敷で開かれた夜会では、アメリカ帰りの実業家ヴァルメラに変装し、ボーマニャンとの婚約を迫られて拒否するクラリスの信頼を得る。
ルパンの時とは打って変わった古川のキザで大げさな物言いが、笑いを誘う。
そこに色男のジェブール伯爵が登場。