観客の歌声がコーラス隊のように響いた『のんぴー 「一日一生」 Tour 2024』最終公演レポート
をハンドマイク片手に大きく響かせていく。ひとりでステージに立ち、シンガーソングライターや路上ライブという言葉からアコギをかき鳴らすサウンドをイメージしがちだが、それはのんぴーの魅力のひとつに過ぎない。枠組みにとらわれず、多彩なサウンドアプローチを誇っているのだ。ライブへ懸ける想いが投影されているような<どうしても作りたい場所があるの>というリリックも幕開けにふさわしく、一気に温度が上がる会場。観客も盛大なシンガロングでその気持ちに応えていく。
「はじめまして、のんぴーです!」と大きく声を上げ、「近くに見えなさそうなお子様がいたら前に」と細やかな気遣いも見せた後、アコギをかき鳴らして歌い上げたのが「たら福」。吐息混じりであったり時に震わせるような歌声、アコギのストロークのニュアンス、弾き語りならではのタイム感の操り方、どれもが絶妙でとてもキャリア2年ほどとは思えないほどの表現力だ。
軽快なリフから「何の為に今週、頑張ってきたんですか?」「もっと高く(手拍子)できる?」といたずらっ子ぽく問いかけ、大きな盛り上がりになった「楽笑」は驚愕の1曲。掛け合いというより、観客の歌声がもはやのんぴーのコーラス隊のように響き、生まれるのは素晴らしき一体感。