2023年12月6日 21:00
w.o.d.が歌舞伎町の夜に比類なき音楽愛を奏でたワンマンツアーファイナル【オフィシャルレポート】
Photo:小杉歩
2023年12月2日、ソールドアウトのZepp Shinjuku。開演時間の18時を3分ほど回ったとき、楽器と機材とPA以外何もない殺風景なステージに「Ticket to Ride」の出囃子が流れ、中島元良(ドラムス)、Ken Mackay(ベース)、サイトウタクヤ(ギター、ヴォーカル)の3人がそぞろ歩くように現れる。Tシャツに短パン、ホッケーシャツ、バンドTに前開きのパジャマシャツというそれぞれの代名詞的なスタイル、ケアフリーなたたずまい。それでも隠しようもなく立ち昇る、繊細と粗野の同居した色気。そうそう、これこれ。これがw.o.d.だ。
歓声や口笛が止んだ一瞬の静寂を狙い澄ましたかのようにギターのリフが切り裂き、ドラムとベースがなだれ込むと、なつかしい音圧が鼓膜を、体を震わせる。約1か月にわたって繰り広げてきたワンマンツアー “バック・トゥ・ザ・フューチャーVI” の最終公演は、9月にリリースされたメジャーデビューシングル「STARS」で始まった。ステージの背後にサイケデリックな映像が映し出される。映像はショー全体にわたり、具象抽象を問わず効果的に使われていた。