2024年3月19日 11:00
「ふじのくに⇄せかい演劇祭」で安部公房『友達』、瀬戸山美咲演出『楢山節考』など
(撮影:F4.5牧田奈津美)
静岡市内の各所でゴールデンウィーク中に開催される「ふじのくに⇄せかい演劇祭2024」のプレス発表会が3月15日に開催され、主催の「SPAC-静岡県舞台芸術センター」の芸術総監督を務める宮城聰らが出席し、今年のラインナップの詳細が発表された。
「ふじのくに(静岡県)と世界は演劇を通じてダイレクトに繋がっている」というコンセプトの下、国内外の舞台芸術を届けてきた同演劇祭。今年も国内外の先進的な演劇作品、パフォーマンスアートがプログラムされている。
鳥取市を拠点に活動する劇団「鳥の劇場」とSPACの初の共同制作による作品では、生誕100年を迎える安部公房が1967年に発表し、自ら“黒い喜劇”と呼んだ『友達』を上演。隣人愛を盾に近づいてくる集団に飲み込まれていく青年を描く本作について、演出を務める「鳥の劇場」の中島諒人は、現代の日本社会を覆う「息苦しさ」に言及しつつ「何でこんなに集団やコミュニティが苦しいものになってしまったのか? 中にいるとわからないけど、芝居を通じて外から見ると、現在の社会の課題、時代について考えられるのではないか?」といま、上演することの意味を語る。