2024年3月5日 12:00
岡田将生の飾らない素顔「真剣さと楽しさを並行させた作品づくりをしたい」
僕が演じた東昇という役も、子どもたちとの絡みも含めておもしろくなるだろうなと、直感的に思いました」
東昇は、なぜ犯罪を犯したのか。彼は、どういう人物なのか。細やかな背景は明かされないまま、目撃者である3人の子どもたちとのやりとりが進む。
「東昇に共感できる点はないんですけど」と枕詞を置きながら、岡田が捉えた東昇の人物像とは。
「僕自身、いろいろな怒りを抱えていた時期があって。決して彼に共感はできないけれど、この役をとおして感情を昇華できるのかな、と考えながら脚本を読んでいました。みなさんもそれぞれ、日々のなかで生まれる感情を抱えていますよね。それが東昇という人物にもある。
何に対してどんな行動を起こすのか、なぜそれが殺人に繋がってしまうのか……。そういったことを監督と話し合いながら、現場でお芝居をつくっていく作業がとてもおもしろかった。そこに、正解はないんです」
表向きは人当たりの良い好青年、しかし、隠された裏の顔は冷酷な殺人鬼。否応なく裏表を表現しなければならない役柄と、子どもたちとの共演シーンが重なる。岡田が感じた「おもしろさ」には、観客側に与えられる「余白」も含まれる。
「東昇が子どもたちに手を下せる瞬間は、あるはずなんです。