くらし情報『3つのギリシア悲劇を再構築した『テーバイ』 長い創作期間を振り返る船岩祐太・植本純米インタビュー』

3つのギリシア悲劇を再構築した『テーバイ』 長い創作期間を振り返る船岩祐太・植本純米インタビュー

という意味のことを言ったりします。

植本そうそう(笑)、クレオンのせいにして「お前がお姉さん(=オイディプスの実の母)を差し出さなければ……」って責めたり。

船岩あれは原文だともっと長いんですよ(笑)。そういう変化も多分、作家(ソポクレス)の熟成――90代で書いたと言われているんですけど、人生の見方みたいなものが定まった段階で書いたテキストなんじゃないかという気がします。
3つのギリシア悲劇を再構築した『テーバイ』 長い創作期間を振り返る船岩祐太・植本純米インタビュー


――改めてこの作品に感じる魅力、いまの時代の国家と個人の関係などに通じると考えている部分について教えてください。

植本市民からの突き上げというのは、いつの世もこういうものなんだろうなって思いますね。“炎上”とかもそうですし。

船岩政治や政治家というよりも、統治のシステムそのものが、これまでどういう遍歴をたどってきて、これからどうなっていくのか? という部分は、すごく重要かなと思っていて、これが書かれた当時は、いろんな紆余曲折があった中で、民主制を確立していき、ちょうど黄金期を迎えるという時代なんですね。
民主主義とはまた違うんですけど、民主制を検証する――褒める、あるいは、けなすみたいな描写がたくさん出てきますけど、民主制というシステムそのものを一考する材料には使えるかもしれないなと思っています。

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