くらし情報『3つのギリシア悲劇を再構築した『テーバイ』 長い創作期間を振り返る船岩祐太・植本純米インタビュー』

3つのギリシア悲劇を再構築した『テーバイ』 長い創作期間を振り返る船岩祐太・植本純米インタビュー

単純に悪い統治者がいて、身を滅ぼしていくみたいな話ではなくて、それを支えているバックボーンにある考え方――“制度”の考え方に思いをはせるには良い作品なのかなと思います。

植本どちらかというと、お客様はアンティゴネが言っていることに思いを寄せるのかなと思いつつ、でもクレオンをやってみると、彼が言ってることは、何か信じられるっていうか正しいと思えるんですよね、僕は。だから、アンティゴネと言い争うシーンも本当に「俺はこう思ってるよ」という気持ちで言えるし、一方の(アンティゴネ役の)加藤理恵ちゃんも、アンティゴネの言っていることを信じられるからこそ、ものすごいパワーでくる。そこで、お客さんにどう伝わるかというのは楽しみですね。

船岩それで言うと、その前に『コロノスのオイディプス』があることによって、『アンティゴネ』という作品の見え方が全然違ってくると思います。クレオンが正しいか、それとも、アンティゴネが正しいか? という話は、ヘーゲル(18~19世紀)あたりまで遡って議論がされている問題なんだけど、基本的にそれは『アンティゴネ』という単体の作品で見たときの印象で語っている感です。なぜ彼女がこういうことを言い始めたのか? という原点が少し垣間見えたら、多分、いままでの印象とは変わるかなと思います。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.