北村匠海が振り返る10代の“戦い” 「正解を押しつけてくる大人に疑問を抱いていた」
10代のときも、本当はカルチャー的なものが好きなのに、世間の目を気にして言えなかったりとか。そういう他の人から見た印象と本当の自分とのギャップにモヤモヤしていた時期もありました」
だからこそ当時から強く願っていた、早く大人になりたいと。
「自分の現状が嫌だったので、早く大人になって、周りの大人たちと社会的に対等になりたかった。10代の頃から早く20歳になりたかったし、20歳になったら今度は早く30歳になりたいって思っていました」
撮影/奥田耕平
現在22歳。未成年の枠から外れ、ひとりの成人として十分認められる年齢になった。今、自分のことを「大人になった」と感じることはあるのだろうか。
「18で初めて投票に行ったときは、勝手に大人な気分になりましたね(笑)」
そう照れ臭そうに笑ってから、そのミステリアスな眼差しに、すっとまっすぐな光が灯った。
「僕が最近出会った素敵な方々は、年齢的にも大人だし、言うことも大人なんですけど、子供の頃の気持ちを忘れていなくて、いくつになっても若いなって感じがするんです。
そう考えると、大人かどうかなんて世の中が勝手に決めることなのかもしれないなと。