加藤和樹インタビュー ミュージカル『BARNUM』日本初演にむけて
彼は“観客を作り出した”と言われている人物でもあります。彼がひとたび喋れば、みんなが観客になってしまうというくらい、人を楽しませる存在。そんな彼の魅力をどう僕の中から引き出していくかは、これからの稽古で頑張っていきたいです。
明日公演ができること、観に来てくれるお客さんがいることは当たり前ではない
―― 同じステージアーツに携わる人間として、加藤さん自身がバーナムに共感するところもありますか?
彼が残した名言で「至高の芸術というものは、人を幸せにすることだ」というものがあります。それはいち表現者としてすごく感銘を受ける言葉です。この作品をやる上でというより、僕が表現者としてこの先もあり続ける上で、忘れてはいけないことだなと肝に銘じました。これを声を大にして言えるバーナムというのは、やっぱり自分の芸術を成し遂げた人なんだなと思う。実際、彼がそれだけのことをしたというのは歴史が証明していますしね。
彼の芸術で救われた人が絶対にいる。我々が目指す、表現者のあるべき姿だと思います。
――ところで、いま世の中的に、100%幕が開くとは言えない状況があります。その中でも加藤さんが新しい舞台に挑むモチベーションは、どこからきているのでしょうか。