2023年7月25日 12:00
完璧な舞台が初演から約70年を経て実現! 三代澤康司が観た『ウエスト・サイド・ストーリー』
セットを裏向けたり、右にしたり、開いたりと、ウエストサイドの色んな路地やマリアの家のそばを、映画版よりも、はるかに想像力をかきたてられるように表現している。そして、シャーク団とジェット団が出てきて、段々乱闘になっていくんですが、ダンスの振付がすごいんです! クラシックバレエをベースにしつつモダンでカッコいい。1950年代にようあんな振付を考えたなと思いました。
――初演の原案・振付・演出はブロードウェイを代表する巨匠ジェローム・ロビンスです。
今回、演出を手掛けたロニー・プライスはロビンスが先生みたいなもので、ロビンスの振付を忠実に再現してほしいとのオファーだったから、喜んで受けたそうです。だから変な味付けを全くしていない。1957年の初演当時の雰囲気をそのまま2023年に持ってきているんです。
――さらに、世界的指揮者で音楽家のレナード・バーンスタインが作曲、ミュージカル界の巨匠スティーブン・ソンドハイムが歌詞という、夢のようなコラボレーションですね。
バーンスタインのメロディはハートに突き刺さってきますね。指揮者としてのバーンスタインもカッコいいし、すごいんですよ。クラシック音楽は指揮者で決まる部分があり、彼はそのこだわりも、後世に教えている。