ちな&角野隼斗インタビュー。アニメーション映画『ファーストライン』で“同世代”コラボ
角野最初にお会いした時に、この作品では音楽が重要な位置を占めていて、音で遊んだり実験できるようなものにしたい、と伺ったので、面白いものになりそうだと思っていました。
ちな監督最初の打ち合わせの時から「音を使って面白いことがしたい。そこに描かれている画のニュアンスも音で表現したいし、無音ですら音楽として捉えられるものにしたい」という話はしましたね。
角野僕は映画音楽や劇伴の経験がそれほどあるわけではないので、逆に“ありきたり”なものはつくりたくないと思っていました。ただ、映像ありきで音楽を考えたかったので、画コンテを前に何度も何度も即興でピアノを弾いて、そこから良いものを選んで……というところからつくっていきました。
ふたりが語る通り、本作では映像と音楽がシンクロして作品が進んでいく。音楽は映像に合わせて展開し、時に音楽が映像やアニメーションのトーンやキャラクターの演技を左右する。考え方によっては窮屈さを感じたり、“制限”にもなりえるこの状況を、ふたりは創造性を発揮する武器にしたようだ。
角野窮屈だと思われる方がいるのもわかるのですが、僕は面白みを感じました。“制約”の中で生まれるクリエイティビティがあると思っていて、そういうものが好きなんですよね。