ちな&角野隼斗インタビュー。アニメーション映画『ファーストライン』で“同世代”コラボ
限られた制約の中で最も面白いことをするにはどうすればいいか? 片手で音ゲーをプレイするみたいな(笑)。創造というのは自由であれば良いというものでもなくて、適度な制約が創造性をより広げることもあると思います。
ちな監督角野さんがおっしゃったことに僕も共感できる部分があります。アニメの仕事も原作であったり、時間であったり……何かしらの枠はあるわけで、制約は常につきまとうものですよね。だからこそ、制約の中でどれだけ表現できるか、どれだけ自分を出していけるのかは普段の仕事でも意識しています。2Dの手描きのアニメーションは、これまでにずっと積み上げられてきたものがあって、表現としてはもう出尽くしていると言われるんですけど、自分としてはさらにまだあるはずだと思っていて、それがこの作品にもつながっていると思います。
本作ではアニメーションのために描かれる線も、そこで鳴り響く音楽も自ら制限を設け、限られた線で、限られた音でどこまで豊かに表現できるかの挑戦が行われている。
ちな監督線をどう表現するのか、どの線を選ぶのかにアニメーションの表現や美意識がある。
日本のアニメーションが創成期から積み上げてきた線の美意識ってあると思うんです。