「今だからこその楽しさを!」原田諒×紅ゆずる “なんでもあり”な『エニシング・ゴーズ』
それを強みにして、自分が考える私なりのリノをつくっていくつもりです。
――そのうえで、どうつくっていきたいと思われますか?
紅タイトル通り“なんでもあり”だと思っています(笑)。でも、今この時代に喜劇をやる意味は大きいと思います。劇場にわざわざ足をお運びいただくので、笑って「楽しかったね!」と言っていただける作品にすることは第一の目標です。
――原田さんは初めてこの作品を演出することをどのようにお考えですか?
原田諒(以下、原田)『エニシング・ゴーズ』は、ずっとやりたかった作品なんです。ですからオファーを頂いた時は驚いたのと同時にとても嬉しかったですね。ニューヨークからロンドンに行く豪華客船に個性豊かな人物たちが乗り合わせて、そこで起きる出来事が描かれた、ミュージカル・ショーのような面白さがありますし、コール・ポーターが音楽を手がけたミュージカルの中でもとびきりの名曲揃い。
ブロードウェイ・ミュージカル『エニシング・ゴーズ』
この作品が(ブロードウェイで)初演された1934年は、1929年の大恐慌による不景気からアメリカが再び立ち上がってきた、パワーのみなぎった時期ですから、街にも楽曲にも作品にも溢れんばかりのエネルギーがありますよね。