「今だからこその楽しさを!」原田諒×紅ゆずる “なんでもあり”な『エニシング・ゴーズ』
そういう作品を、今のこの時代に上演するのはとても意義あることだと思います。ましてや紅さんは宝塚歌劇団時代(’19年10月に退団)から屈指のコメディエンヌと言われた人ですから、このお話をいただいた時、直感的に「ピッタリだな」と思いました。
――どんな風につくっていこうと思われていますか?
原田今はコロナ禍で世界中が沈んでいる状況ですから、そんな暗い空気を打破するような楽しくて、明るくて、綺麗な舞台をつくりたいです。オーバーかもしれませんが、「生きてこれを観ることができて良かった」と思っていただけるようなものにしたい。翻訳は(日本初演版の)青井陽治先生のものをもとにしていますが、今回版に合わせてほぼ新たに仕立て直しました。
――どう仕立て直されたのですか?
原田この作品は、ちょうどオペラ・オペレッタからミュージカルに移行する時期、ミュージカルの黎明期の作品なんですね。ナンバーが続く現代のミュージカルとは違い、芝居の部分は芝居としてきちんとあるし、ナンバーはナンバーとして存在するという構成で、やりようによってはオールドファッションな作品に見えてしまいかねない。ですから今回は2021年版として一新し、ポップに華やかに、ショーアップしてお届けしたいと思っています。