おとな向け映画ガイド 今週のオススメはこの4作品。
そこに紹介者を通じてやってきたのが、フィリピン人のエヴリン(クリセル・コンサンジ)です。人生は終わったと絶望した男と、写真家の夢を諦め、出稼ぎを選んだ女。言葉もわからず、なかなかうちとけないふたりですが、すこしずつ片言の英語でおたがいの心を通わせるようになっていきます。
淪落の人、って「(女性などが)堕落して身を持ちくずすこと」(新明解)と辞書には随分な意味が書かれていますが、このタイトルは、白居易の『琵琶行』という詩からとっているのだそうです。左遷され失意のなかで、やはり人生のどん底にある琵琶の奏者と出会い、天涯淪落の人同士、縁を大切にすべき、と詠った一節です。新人監督のオリヴァー・チャンが、香港の「劇映画初作品プロジェクト」の資金援助を受けて、オリジナル脚本を映画化。香港のアカデミー賞といえる香港電影金像奨でチャン監督が最優秀新人賞。脚本に魅せられてノーギャラで参加したという、主演のアンソニー・ウォンは主演男優賞を獲得しています。
良い後味の残る、ウェルメイドな香港映画です。
首都圏は、2/1(土)から新宿武蔵野館で公開。中部は、2/1(土)からシネマスコーレで公開。関西は、4/3(金)