17世紀のインドが舞台の現代戯曲『タージマハルの衛兵』を小川絵梨子が日本初演
12月2日・3日のプレビュー公演を経て、12月7日(土)より東京・新国立劇場 小劇場で上演される『タージマハルの衛兵』。3本連続上演シリーズ「ことぜん」の第3弾となる今作は、成河と亀田佳明の二人芝居だ。同劇場の演劇芸術監督であり今作の演出を務める小川絵梨子に話を聞いた。
アメリカの劇作家ラジヴ・ジョセフによる今作は、1600年代、タージマハル建設中のムガル帝国が舞台。その建設現場で夜通し警備をする、幼なじみのふたりの衛兵を描く。
「話としてはとても寓話的。だからこそキャッチーな物語のうえに、大きなテーマを描くことができるんですよね。
舞台は17世紀ですが、登場人物の言葉遣いは現代の言語で書かれている。だから日本語に訳しても、“ルールにのっとって生きていくかいかないか”というような、現代人の葛藤に近いものが見えるんです」
この戯曲を翻訳したのは20代のイギリス演劇研究家であり、シェイクスピア翻訳者・小田島雄志の孫でもある小田島創志。
「小田島さんには新国立劇場でいくつか下訳(完成前の草案としての翻訳)をやっていただいているんです。私が翻訳を務めた『かもめ』でもお願いをしていて、それがすごく読みやすかった。