くらし情報『孤独な地縛霊の“眼差し”通じて人間を描く『とりわけ眺めの悪い部屋』山西竜矢×湯川ひなインタビュー』

2021年11月8日 19:30

孤独な地縛霊の“眼差し”通じて人間を描く『とりわけ眺めの悪い部屋』山西竜矢×湯川ひなインタビュー

左から、ピンク・リバティ『とりわけ眺めの悪い部屋』主人公・夏子役の湯川ひな、ピンク・リバティ代表・山西竜矢 撮影:藤田亜弓

撮影:藤田亜弓



演劇ユニット、ピンク・リバティ代表の山西竜矢が、約2年半ぶりとなる新作『とりわけ眺めの悪い部屋』を東京・浅草九劇で上演する。脚本家を志望する青年の部屋に住み着いた孤独な地縛霊と、彼女を取り巻く人々が繰り広げる群像劇だ。開幕を約2週間後に控えた稽古場で、主人公の幽霊・夏子役を務める湯川ひなとインタビューに応じた。

周りから“浮いて”いる、特別な存在感が主人公の幽霊にぴったり

──まず山西さんに質問させてください。コロナ禍で残念ながら公演中止になってしまった『下らざるをえない坂』から約2年半ぶりの新作です。『下らざる〜』のリベンジもできたと思いますが、どういったモチベーションで新作を上演しようと思われたのでしょうか?

山西『下らざる〜』と同じ時期に、初長編監督作品として『彼女来来』という映画の撮影を進めていまして。公演が中止になってしまったショックというか、ダメージはあったのですが、結果的にその分全てのリソースを投下してこれまでと異なる映像ジャンルに集中してクリエーションすることになったので、そのあとにやる演劇は、そういう経緯を経た中で少しでも“変化”したところを見せられたら、と思って今作を書きました。

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