2022年4月21日 07:00
2年越し念願の『お勢、断行』実現! 岡本健一×成河二人芝居も 世田谷パブリックシアター2022年度ラインアップ発表
江戸川乱歩の短編「お勢登場」に出てくるお勢を主人公に据え、倉持がオリジナルで紡いだ物語であり、倉持は「稀代の悪女であるお勢を中心に、立場によって善悪が変わるということを描いています。まさにいま、コロナ禍にあって、それぞれがそれぞれの正しさを主張して様々な対立が生まれ、戦争も起きています。本来上演されるはずだった2年前よりも善悪を巡るテーマがより鮮烈に観客の目に映ると思います」と語る。
ゲネプロまで行ない、一度は“完成”した作品ではあるが、2年の時間と社会の状況の変化に伴い、作品もまた変化を遂げているようで、倉持は「2年前は、悪人を悪人として描いていましたが、今回は、そこはちょっと変わったかなと思います。自己暗示にかけているというか、最初は(悪いことをしている)自覚があったかもしれないけど、『自分は悪いことはしていない』『自分は正しい』『正しい道に進むには多少の犠牲は仕方ない』という考え方になっていて、自分を正当化し、自分のウソに騙されてしまっている人間になったと思います」と明かした。
『お勢、断行』チラシ
お勢を演じる主演の倉科は、2年前の上演中止の悔しさを口にしつつ「その時、『2年後にやりましょう』と言ってくださった世田谷パブリックシアターの心意気、尽力いただいたみなさんに感謝でいっぱいです。